退院=ゴールではありませんでした。
玄関の段差で息切れし、冷蔵庫の扉の前で「何を食べればいい?」と立ち尽くす――。
“やっと家に帰れたのに、思い通りに動けない” そんな現実に直面した私は、期待と不安のあいだで揺れ続けました。
本記事では、退院後に私がぶつかった 5つの壁――体力・食事・周囲の視線・制度迷子・眠れない夜――と、そこから抜け出すために実際に試して効いた 具体策と考え方 をシェアします。
さらに、行政や病院のサポート窓口を “最短ルートで探すコツ” も合わせて紹介。
退院生活は “元通り” ではなく “新しい暮らしを設計する期間”。
この記事が、あなたの回復ロードを少しでもフラットにする道しるべになれば幸いです。
- 退院後に“思わぬ壁”となりやすい 5 つの場面
- 体験者視点で使えた解決策とマインドセット
- 公的サポートを最短で探すコツ
はじめに|「退院=元通り」ではない現実

退院当日は 「やっと家だ!」 と安堵。しかし、リビングの椅子に座った瞬間、“ここからが本当のリハビリ” と悟りました。体力ゼロ、ご飯づくりどころではない——。焦る自分と向き合った日々を振り返りつつ、5 つの壁とその乗り越え方 をシェアします。
退院後に困った 5 つのこと & 実践した対策
1. 家の中の移動すらつらい
困りごと | 体力が戻らず、玄関→トイレで息切れ |
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解決の糸口 | 動線短縮 & 座れる家 を作る:洗面所にスツール/キッチンワゴンをイス代わり/午前と午後で予定 1 つずつ |
🗒️ 「家事の代わりに“回復”が仕事」と割り切ると気がラクでした。
コラム|食生活で起こりやすい症状
2. 食欲がなく、献立が浮かばない
| 困りごと | 冷蔵庫の前でフリーズ。「何を食べれば?」 |
| 解決の糸口 | 冷凍うどん+卵+野菜スープの三種の神器/食べられない日は ONS+おにぎり で最低限確保/コンビニと宅配を“自立ツール”と定義 |
3. 「もう元気そう」と言われてモヤモヤ
| 困りごと | 外見と中身のギャップで気疲れ |
| 解決の糸口 | 正直カミングアウト:「実はまだ体内バッテリー20%で動いてる」/話す前に時間を宣言「今日は15分だけね」/“波”は自分だけが知っていると心得る |
4. 公的制度が多すぎて迷子
| 困りごと | 傷病手当? 障害年金? どれが自分に当てはまる? |
| 解決の糸口 | 病院のがん相談支援センターでロードマップを作成/医療ソーシャルワーカーと To‑Do を分解/スマホのメモアプリでリンク集を一元管理 |
5. 夜になると不安で眠れない
| 困りごと | 入院中の夜勤ライトが頭に残り、深夜まで覚醒 |
| 解決の糸口 | 朝いち日光シャワー/昼寝は 30 分タイマー/不安は紙に“投げ書き”→ 朝読む/就寝前の ホット豆乳+蜂蜜 を入眠スイッチに |
まとめ|“元の生活”を目指さなくていい
退院後の生活は「元に戻す」ではなく “今の自分仕様の生活を設計する” 時期。
- 体力ゼロなら“座れる家”を設計
- 食欲ゼロなら“飲める栄養”でつなぐ
- 心がザワつく日は“言葉でバリア”を張る
できたことをカウントし、できなかったことはタスクではなく未来の目標に。 それが私の回復を押し上げた実感です。