栄養を“点”でなく“線”で考える|長期戦を支える日常ルーティン

栄養を“点”でなく“線”で考える|長期戦を支える日常ルーティン
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「昨日は頑張って食べたのに、今日はゼロ。どうして――?」
退院後や療養中は、そんな“食事のジェットコースター”に振り回されがちです。
1 日単位で〈食べられた/食べられない〉を判定すると、できなかった日の自己嫌悪と疲労感が雪だるま式に膨らみ、いつの間にか“食べること自体がストレス”になってしまいます。

そこで提案したいのが 「点」ではなく「線」で栄養をとらえる 視点。
1 食ごとの成否ではなく、1 週間という“長めの物差し”で帳尻を合わせれば――

  • 抜けた日があっても罪悪感ゼロ
  • 体調の波を見越した“ゆとりプラン”が立てられる
  • 小さな成功体験を積み重ねてモチベーションが続く

本記事では、この“線思考”を日常に落とし込む 5つのルーティン と、
記録が苦手でも続く ストレスフリーな食事メモ術 を紹介します。
「頑張り続ける食事」から「続けられる食事」へ――一緒にシフトしてみませんか?

この記事でわかること
  • 「線」で食事を捉えるマインドセット
  • 1 週間単位でリカバーする 5 つのルーティン
  • 食事記録がストレスにならないコツ
目次

はじめに|“1 日完結”の頑張りは長続きしない

“1 日完結”の頑張りは長続きしない

退院直後の私は

「今日こそ 3 食きちんと!」→ 夜には電池切れ…

という “1 日完結型の焦り” を毎日リセット → リピート。
体力も気力も “がんばった 1 日” だけでは取り戻せない と悟り、視点を “点” → “線” へ切り替えました。

“点”で食事を考える落とし穴

点思考の例心と体への影響
今日は完食できた/できなかったで自己評価ジェットコースターの自己肯定感→疲弊
“3 食”を守れない日は “失敗” と見なす食事時間がストレス源に/食欲低下スパイラル

🗝️ 線思考のキーワード = 平均値リカバリー

長期戦を支える 5 つの食習慣ルーティン

1. 「朝・昼・夜+予備」で 2.5〜4 食リズム

  • 1 食抜けても “予備”(ONS/小おにぎり)がバッファーに
  • “抜けてもいい” と決めると心理的ゆとりが倍増

2. 冷蔵庫に“栄養ブースター”を常備

アイテム1 個あたり使いどころ
ONS (125 ml)200 kcal / P 7.5 g朝のエンジン/就寝前の補給
無糖ヨーグルトP 5 g甘味足さずに腸ケア
豆乳P 7 g / コップ1温め+生姜でホットドリンク

3. 週 1〜2 回だけ“仕込みデー”

  • 調子の良い日に 冷凍スープ×2・豆腐ハンバーグ×4 を作る
  • 惣菜を“フリージング”しても◎ —— 時短は回復への投資

4. “できたこと”だけをメモ

  • 「湯豆腐を半分食べた」「ヨーグルト完食」——拍手メモ
  • 食べられなかった は書かず、メモ帳は成功体験コレクションに。

5. 朝いちで“栄養を仕込む”

  • 白湯 → ONS or ホット豆乳 → バナナ
  • 朝の 10 分を “自分の回復ミーティング” と位置づけ、テレビやスマホは OFF。

1 週間で帳尻を合わせるイメージ図

曜日食欲推奨アクション
通常 3 食
2 食 + ONS 1 本
冷凍スープ + ONS 2 本(予備フル活用)
2.5 食 + プロテインドリンク
通常 3 食 + デザートで楽しむ
仕込みデー (冷凍作り置き)
外食テイクアウトで気分転換

平均すると 必要カロリー・たんぱく質はクリア。これが“線”設計のメリットです。

まとめ|小さな点がつながって“線”になる

1 日を救う小さな点 → 点がつながって 1 週間 → 1 カ月

回復は マラソン。今日の 1 食が未来の自分に貯金されると考えれば、抜けた日も怖くありません。自分仕様のルーティンで、焦らず “線”を描き続けて いきましょう。

この記事を書いている人

□管理栄養士歴40年以上

□管理栄養士・国家資格 第12345号

□栄養と食に関して幅広く執筆中

プロフィール

京のばぁーば
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